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バスケット分析

バスケット分析とは

バスケット分析とは、お客様がある商品を購入された際に、同一レシートで一緒に買われている商品を分析する手法です。
おむつを買う顧客が同時にビールも買っているという事例でも有名な分析です。
関連性の高い商品を発見することにより、同時購入頻度の高い商品との相乗効果を狙った販促や棚割へ活用することができます。
最近では、ECサイトやOnetoOneマーケティングにおいて、商品のレコメンデーションを行うための方法としても注目されています。

もっとも基本的な分析手法としては、バスケットに入っている商品を列挙するというものになりますが、
加えて、併買率・購買率・リフト値から、関連性の高い商品を探っていく手法がより効果的です。

併買率・購買率・リフト値について

購買率は、全バスケットのうち、その商品が買われる確率となります。
それに対し併買率は、ある商品Aが買われたバスケットのうち、商品Bも同時購買される確率となります。

例として、以下の10バスケットについて考えてみます。

※ワイン・ビール・牛乳・チーズ・ピザを抜き出したものとします。
(空のバスケットは上記以外の商品のみが入ったバスケットであったとします。)

上図について、商品別のバスケット数をまとめると以下のようになります。

各商品のバスケット数

商品 バスケット数
ワイン 5
ビール 2
牛乳 1
チーズ 4
ピザ 1

この場合、チーズの購買率は
 チーズのバスケット数:4 ÷ 全バスケット数:10 × 100 = 購買率:40.0%
となります。

次に、各商品の組合せについて、同時購買のあるバスケット数をまとめると以下のようになります。

各商品の組合せの同時購買バスケット数(バスケット数)

商品 ワイン ビール 牛乳 チーズ ピザ
ワイン          
ビール 2        
牛乳 0 0      
チーズ 3 1 1    
ピザ 0 0 0 1  

この場合、ワインを基準とした、チーズの併買率は
 ワインとチーズの入ったバスケット数:3 ÷ ワインのバスケット数:5 × 100 = 併買率:60.0%
となります。

次にリフト値について考えてみます。
リフト値は、併買率から、併買された商品の購買率を割ることで求めることができます。
ワインとチーズのリフト値は、
 併買率:60.0% ÷ 購買率:40.0% = 1.5
となります。

併買率については、どちらの商品を基準とするかによって数値が違ってきます。
例えば、チーズを基準とした、ワインの併買率は
 ワインとチーズの入ったバスケット数:3 ÷ チーズのバスケット数:4 × 100 = 併買率:75.0%
となります。

リフト値については、あくまで商品の組合せによる数値となり、どちらを基準にするかは関係ありません。
併買率を計算した際の、併買された商品の購買率を、併買率から割ることが注意点となります。
チーズを基準に考えてリフト値を計算する場合では、ワインの購買率50.0%で割るので、
 併買率:75.5% ÷ 購買率:50.0% = 1.5
となり、同じ数値となります。

リフト値の計算式を一般化すると以下のようになります。
 全バスケット数 × 同時購買バスケット数 ÷ 商品Aのバスケット数 ÷ 商品Bのバスケット数

活用の注意点

併買率を算出することにより、ある商品を基準として、他の併買商品が一緒に購入される率を求めることができます。
一つの問題として、よく売れている商品は、どの商品を基準としても、一緒に購入される率が高くなってしまう
という問題があります。
そのため、より関連性にフォーカスした指標として、リフト値を活用することが有効です。
一般的にリフト値が1を大きく超えていれば関連性が高いといえます。

ただし、リフト値にも欠点があり、元々売れ数が少なく、たまたま併買された商品などがある場合、
計算上非常に高いリフト値となる傾向があります。
そのため、併買率、リフト値の両方を見て判断をしていくことが必要となります。